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理事長挨拶

一般社団法人 日本めまい平衡医学会
理事長 將積日出夫

 

 令和3年11月に開催されました日本めまい平衡医学会において、武田憲昭前理事長の後任として理事長を拝命しました將積日出夫です。理事長就任にあたり一言ご挨拶を申し上げます。

 日本めまい平衡医学会は、1957年に第1回「前庭研究の集い」として始まりました。1962年に第11回「日本前庭研究会」、1968年に第23回日本平衡神経科学会となり、2000年の第59回の本学会から、現在の学会名である「日本めまい平衡医学会」に引き継がれています。本学会は2021年に65周年を迎えました。めまい平衡医学の臨床と研究に興味をお持ちの先生方とコメディカルの皆さまの入会を心よりお待ちしています。

 本学会は、耳鼻咽喉科、脳神経外科、脳神経内科、神経生理学、リハビリテーション医学などを専門とする会員からなる学際的な学会であり、会員数は現在約2000人です。めまい・平衡医学の学術的研究に優れた会員に対する専門会員(Active member)制度とめまい臨床の専門的知識と診療技術を持つ会員に対するめまい相談医制度を整備し、その情報をホームページに公開しています。さらに、今期からは平衡機能検査について専門的知識と優れた技能を持つコメディカルの会員に対する学会認定平衡機能検査士制度を発足する予定としております。

 本学会では、毎年夏に夏期セミナー、医師講習会、コメディカルを対象とした平衡機能検査技術講習会を開催しております。また毎年秋に開催される総会・学術講演会では伝統的に一般演題を重視し、主にポスター発表とすることで自由で闊達な討論が行なわれています。

 めまいは日常診療において多い症状の一つです。とはいえ原因は種々であり、予後の良好なものから生命予後の危険なものまで多岐にわたります。現在、本学会ではめまい診療水準の向上を目指しためまい診療の標準化を行っております。そのため診断基準・平衡機能検査基準化のための資料、平衡訓練の基準を学会のホームページなどで公開し、改訂を続けています。難病であるメニエール病や2017年に指定難病となった遅発性内リンパ水腫の診断基準と重症度分類を2017年に改定し、2020年にはメニエール病・遅発性内リンパ水腫診療ガイドラインの改定を行いました。さらに、2021年には前庭神経炎診療ガイドラインを作成しました。これらの診療ガイドラインは公益財団法人日本医療評価機構により評価され、Minds(マインズ)の診療ガイドラインに選定・掲載されています。なお、現在、良性発作性頭位めまい症診療ガイドライン、眼振と異常眼球運動や前庭リハビリテーションの動画ライブラリーを準備中です。

 本学会の会員の先生方の研究活動により、めまい診療に関わる多くの独創的な研究・開発が行われてきました。その中には、メニエール病の新規治療法(中耳加圧療法など)、良性発作性頭位めまい症や慢性めまい(持続性知覚性姿勢誘発めまい)の病態解明、赤外線CCDカメラによる眼振の自動解析、新しい前庭機能検査(ビデオヘッドインパルス検査や前庭誘発筋電位検査)、内耳画像検査の開発が含まれ、いずれも国際的に高く評価されています。また、本学会は海外の関連する学会との連携を密に行っており、これまでめまい平衡医学の国際学会であるBarany Society Meetingを3回、国際姿勢と歩行学会であるInternational Society of Posture and Gait Researchを3回、International Symposium on Meniere’s Disease and Inner ear Disordersを1回、我が国で開催しています。韓国のBalance Societyとの交流も行っています。

 私は理事長として、理事ならびに監事をはじめとした役員の皆様方と共に、日本めまい平衡医学会と我が国のめまい平衡医学の発展のための事業・活動をさらに展開していきたいと考えています。そのため、会員の皆様方には今後ともご支援を宜しくお願い申し上げます。

一般社団法人
日本めまい平衡医学会 事務局

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