理事長挨拶      一般社団法人 日本めまい平衡医学会   
             理事長 武田憲昭

平成2911月に開催されました日本めまい平衡医学会において、鈴木 衞前理事長の後任として理事長を拝命しました武田憲昭でございます。理事長就任にあたり一言ご挨拶を申し上げます。

日本めまい平衡医学会は、1957年に第1回「前庭研究の集い」として始まりました。1962年に第11回「日本前庭研究会」、1968年に第23回日本平衡神経科学会となり、2000年の第59回の本学会から、現在の学会名である「日本めまい平衡医学会」に引き継がれています。本学会は2017年に60周年を迎えました。201811月に山口市で開催予定の第77回日本めまい平衡医学会において、60周年記念式典を開催する予定です。

 本学会は、耳鼻咽喉科、脳神経外科、神経内科、神経生理学などを専門とする会員からなる学際的な学会であり、会員数は約1900人です。毎年秋に開催される総会・学術講演会では一般演題を重視し、古くから主にポスター発表とすることで活発な討論を行っています。また、めまい・平衡医学の学術的研究に優れた会員に対する専門会員(Active member)制度とめまいの臨床の専門的知識と高度の診療技術を持つ会員に対するめまい相談医制度を整備し、その情報をホームページに公開しています。さらに、1年に1回、医師講習会、コメディカルを対象とした平衡機能検査技術講習会、夏期セミナーを開催しています。

 本学会ではめまい診療の標準化を行っており、めまいの診断基準化のための資料、平衡機能検査法基準化のための資料、平衡訓練の基準を公開し、改訂を続けています。難病であるメニエール病、遅発性内リンパ水腫の診断基準と重症度分類を改定し、メニエール病診療ガイドラインの改定も行っています。また、眼振と異常眼球運動や平衡リハビリテーションの動画ライブラリーの作成も行っています。

 本学会の会員の先生方により、メニエール病の新規治療法の開発、良性発作性頭位めまい症の病態解明、赤外線CCDカメラによる眼振解析、VEMPなどの耳石器機能検査の開発、内耳画像検査の開発などの国際レベルの質の高い研究が行われています。日本ではこれまで、めまい平衡医学の国際学会であるBarany Society Meeting3回、国際姿勢と歩行学会であるInternational Society of Posture and Gait Research3回、International Symposium on Meniere’s Disease and Inner ear Disorders1回、開催しており、日本のめまい平衡医学の研究が世界で高い評価を受けています。また、韓国のBalance Societyとの交流も行っています。

団塊の世代が後期高齢者に到達する2025年には、日本の人口の4人に1人が後期高齢者となる超高齢社会になります。めまい・平衡障害は高齢者に高頻度で認められ、骨折や転倒のリスクを増大させます。骨折や転倒による長期臥床は歩行機能だけでなく認知機能も低下させ、高齢者が要介護となる主な原因の1つです。高齢者のめまい・平衡障害の正確な診断に基づく予防や治療が、今後ますます求められるようになると予想され、本学会はこのような社会からの要請に応えていく必要があります。

私は理事長として、理事ならびに監事などの方々と共に、日本めまい平衡医学会とめまい平衡医学の発展に貢献する事業、活動を展開し、本学会が国民の健康と福祉に貢献できるように努力する所存です。会員の皆様方のご支援を今後とも宜しくお願い申し上げます。また、めまい平衡医学の臨床と研究に興味をお持ちの先生方のご入会を心よりお待ち申し上げます。