学長 鈴木 衞

理事長挨拶              鈴木 衞(東京医科大学学長)

 平成
2511月に理事長を拝命いたしました。めまい・平衡医学の発展に少しでもお役に立てればと思います。
 私は1976年に本学会会員となり、1986年にActive memberを取得致しました。今日までこの分野の様々な進歩と変遷にふれることができました。めまいは臨床の面から見ると、とかく診断が明確でない、治療が画一的である、などの批判がありました。それはある面事実と思います。しかし、私が会員になった当時と比べてみても、学術と臨床において格段の進歩がみられるのもまた事実です。これらはいうまでもなく会員諸先生方のご尽力により達成されたもので、数々の耳石器検査法、赤外線カメラによる眼振解析、遺伝子学的診断、内耳病態の画像診断、BPPVの病態解明と治療開発、メニエール病の新規治療法などがあります。また、偏頭痛関連めまいなど新しい概念も導入されています。これらの診断、治療法の発達によって多くのめまい患者さんが救われてきたことも実感できるところで、新しい技術や進歩に柔軟に対応する姿勢が必要です。今後も学術研究が一層発展し、新たな知見が蓄積されていくことが期待されます。ITや交通手段の発達により海外との交流も容易になりました。バラニー学会など関連学会との情報交換も必要でしょう。

 制度からみた学会の大きな変革としては、渡辺前理事長の執行部による一般社団法人化とめまい相談医制度の制定があります。法人化によって学会の社会的責任は一層大きなものとなりました。一般社会へのめまい疾患の啓蒙も必要です。相談医制度確立によって相談医とActive memberという二つの資格認定組織を備えるユニークな学会になりました。これらの組織を構成する会員諸先生のお役に立ち、制度が発展する方向での学会のあり方が検討されねばなりません。最終的な学会活動の目標はめまい疾患の診断と治療の発展にあります。すなわち患者さんを常に視野に置くという軸は堅持したいと思います。
 以上の諸点を踏まえて委員会組織も多少改変しました。本学会が一層発展し、患者さんのQOL向上に寄与できるよう、会員諸先生方のご指導とご支援をお願い申し上げる次第です。