メニエール病 

どんな症状?

メニエール病の名称はパリの医師メニエールに由来します。このメニエール先生はめまいが耳の病気で起こることを最初に報告した人と言われています。

メニエール病では、突然激しい回転性めまい発作が起こり、それと同時に片耳の難聴・耳鳴り・耳閉塞感(耳がふさがった感じ)が現れます。めまい発作は通常数時間で治まり、めまいが治まると難聴・耳鳴り・耳閉塞感も改善します。

そして、同様の発作を反復することがメニエール病の特徴で、何度も発作を繰り返していると、めまいが治まっても耳鳴りや難聴が残ってしまいます。

メニエール病の好発年齢は3050歳で、女性に起こりやすい傾向があります。普通は片耳の病気ですが、両耳に起こる場合も2030%あると言われています。

 

なぜ起きるか?原因は?

メニエール病の原因は、内耳の膜迷路内にある内リンパの「むくみ」と考えられており、したがって「内リンパ水腫」とも呼ばれます。なぜ内リンパが増えるのかはっきりわかりませんが、過剰産生、流通障害、吸収障害など様々な原因が考えられています。

 また、メニエールの発作は過労、睡眠不足、そしてストレスなどで起こりやすくなります。さらに、天候や気圧の変化にも影響を受けやすいようです。

 

どのように診断されるか?

 一般的に以下のような診断基準が用いられます。

1) 数十分から数時間の回転性めまい発作が反復する

2) 耳鳴り・難聴・耳閉塞感がめまいに伴って消長する

3) 諸検査で他のめまい・耳鳴り・難聴を起こす病気が鑑別できる

上記の123)を満たせばメニエール病と確定診断をします。また、1)と3)、あるいは2)と3)のみの場合にはメニエール病の疑いとします。

 その他、a)聴力検査で低〜中音域の聴力低下が認められる、b)めまい発作時には眼振(眼球が振動する)が観察される、c)グリセロール検査(利尿薬のグリセロールを飲み、服用3時間後に聴力改善を認めれば内リンパ水腫の存在を疑う)が陽性となる、d)蝸電図検査(耳の穴の中に電極を置き、音に対する内耳の反応を記録する)で内リンパ水腫に特有な反応が認められる、などが診断の参考になります。

 

治療法は?

 実際にめまい発作が起きてしまった場合には、あわてずにまず横になって安静にします。めまいや吐き気がひどいときは、かかりつけの医師に応急処置をしてもらいましょう。一般的な応急処置の薬として、抗めまい薬、制吐薬(吐き気止め)、抗不安薬などが使われます。症状が比較的軽い場合には内服治療(飲み薬)で症状の改善を待ちますが、めまいや吐き気が強い場合には注射や点滴を行います。再発の予防を目的として利尿薬(水分の排泄を促進させるお薬)をしばらく飲むこともあります。これはメニエール病の原因である内リンパ水腫を軽減するためです。循環改善薬、ビタミン薬、自律神経調整薬、抗不安薬、副腎皮質ホルモン薬なども用いることもあります。

 これらの飲み薬、注射、点滴の治療を行ってもめまい発作を止めることが出来ない時は、経鼓膜的に内耳へ薬を注入する局所治療や手術治療を試みる場合もあります。詳細は耳鼻咽喉科のめまい専門医にご相談ください。

 メニエール病は簡単に治る病気ではありませんが、適切な治療をすれば、反復する発作を落ち着かせ、耳鳴りや難聴の悪化を防ぐことができます。

 

予防法は?

 過労、睡眠不足、ストレスなどでメニエール病の発作が起こりやすくなります。したがって、ふだんから過労や睡眠不足を避け、ストレスをためないように生活習慣を改めましょう。また、スポーツで汗を流したり、趣味を楽しむなど、ゆとりのある生活を心掛けましょう。飲酒と喫煙は控え、食事の時には塩分を取りすぎないように注意しましょう。メニエール病は早期に正しく診断し、適切な治療を行うことが大切です。